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メイクが肌に良いって知ってましたか?


本とかネットとかでは、メイクが老化を促進するとか、すっぴんで肌をいたわるとか、そんな情報を見かけますよね~。ファンデは肌に負担がかかるので、メイクしない日をつくりましょう、とか。

見た目のためにメイクするけど、ほんとは肌によくなさそうで控えめにしたい、というニュアンスを感じます。

私もこれまでこの問題についてはモヤモヤしていました。「肌断食」っていうのを本で読んで、化粧水すらつけず、お湯洗顔、メイクもほぼしない、とかも試してたんですが、どうもしっくりこなくて。。でも、最近、日焼け対策で世界最先端をいくオーストラリアやアメリカからの興味深い報告を見つけたので、ご紹介したいと思います。

オーストラリアは日差し強烈で、皮膚がんも世界的に見て多い国。だから肌対策の研究は進んでいるのですが、今回驚きなのは「すっぴんが肌にいい」という時代が終わったと専門家が語っていることです。

以下、いつもよりも かな~り、理屈っぽく理系っぽくご紹介します♡(笑)


メイクで紫外線、大気汚染、赤外線から肌を守る       


まずご紹介したいのが、2017年5月の豪州皮膚科学会(Australasian College of Dermatologists)による最新の研究結果。フィリップ・アルテミ博士が「コスメシューティカル」と呼ばれるコスメ商品を使ったメイクがアンチエイジングと皮膚がん予防に効果的、と発表しました。

2017年5月の豪州皮膚科学会(Australasian College of Dermatologists)による最新の研究結果(英語サイト)

え、まずコスメシューティカルってなんぞや?➡コスメシューティカル:「機能性のファンデーション、パウダー、チーク、アイシャドウ、アイライナー、マスカラと口紅」を指すそう。

コスメシューティカルとは?
(英語サイト)

こうしたコスメシューティカルは、肌の健康に効果があって、とくに目の周りの部分にとってはすごく大事のようです!

なぜ肌によいかというと、SPFの成分だけでなく、色味やリフレクターが、日光そのものを物理的に反射させるから。さらに、今は肌老化の2番目に大きい原因が大気汚染物質なのですが、メイクで物理的バリアをつくるので対策できるみたいです。

いわれてみると、帽子、傘でも直射日光は遮れますが、物理的に反射というわけにはいきませんよね。帽子とか傘は直接肌をカバーしてないですしね。


大気汚染物質が肌に悪影響


アルテミ先生の説明をまとめると、

「UVAやUVBといった紫外線だけでなく、赤外線や目に見える光線自体も、肌に悪影響を与え、シワやシミにつながります」

「また、大気汚染物質も、シワと肌の老化につながることが判明しています。都市化が進んで、これからますます注意が必要」

「すっぴんが肌の健康によいという説は、すでに時代遅れになっています」

日焼け止めだけじゃ不十分


日焼け止めは肌老化予防に効果的なのですが、それだけでは不十分のようです。日焼け止めとメイクを併用するのが大切みたい。

朝の忙しいときにどうしてもメイクの時間がない場合は、せめてBBクリームのような色味のついた下地だけでも塗るといいらしいです。

そのほかで気になったことが1つ。
目の周りのエリアは皮膚がんになりやすいらしいこと。。


目の周りのエリアのケアが大事

「目に入ったら痛いので、まぶたに日焼け止めを塗る人は少ないですが、実はとても目の周りの保護はとても大事です。アイシャドウと日焼け止めを塗りましょう」だって。アイシャドウがバリアを張ってくれるなんて驚きですよね~Σ(・□・;)

注意が必要なのは、リップグロス。グロスには肌を守る機能がほとんどなくて、バリア効果の面では色が濃い口紅のほうがいいらしいです。色がついてるってことが大事みたいです。



大気汚染物質が肌にダメージを与える理由


そもそも、アルテミ博士の言う「大気汚染物質」、たしかに最近よく聞きますよね。PM2.5とか黄砂とか、日本でもよく耳にします。私も鼻とか目がかゆかったりします…。


どうやら大気汚染物質の肌への影響は、2010年頃から言われ始めたようで、まだ詳しいメカニズムは完全にはわかってない様子。おおまかには、PM2.5は髪の毛の何十分の1の大きさなので、皮膚に浸透し、炎症を引き起こすようです。目には見えないけど、怖いですね…

このなかで最新の研究を探してみたところ、ポーラ・オルビスグループの発表が参考になりました。

「近年、排気ガス等の大気汚染物質、タバコの煙及び花粉等のマイクロダストが、皮膚老化(色素沈着、シワなど)に影響を及ぼすことが報告されています。これらは皮膚に接触・浸透すると、角層を作る細胞である角化細胞に接触し、炎症性の物質を放出させ、肌トラブルの引き金になると考えられています。」

ポーラ・オルビスグループの発表

とのこと。

リンク中にグラフがありますが、大気中のPM2.5と肌トラブルの数が連動してるように見えます。こういう物質は毛穴から入るわけで、物理的バリアが大事なのが改めてわかります

この分野、世界中でいま研究が進められているようで、今年に入ってもたくさんの論文がみつかりました。

Bad air gets under your skin「汚染された大気が肌の中に入ってくる」

Photo-pollution stress in skin: Traces of pollutants (PAH and particulate matter) impair redox homeostasis in keratinocytes exposed to UVA 「光化学汚染が肌に与える影響:汚染物質がUVAに晒された角化細胞のレドックス恒常性を損傷」



すっぴんとメイクのいいとこ取りをしちゃおう。


こうして世界の専門家の言っていることを調べるほど、メイクは肌の健康のためにほとんど必須のように思えてきます。

ではどうしてすっぴんが肌によさそうなイメージが広まったのでしょうか。やっぱり個人的に思うのは、メイクそのものじゃなくて、スキンケアとかメイク落としのやり方のせいで、肌のバリアが壊れてしまうイメージがあるからじゃないか、と。

そう思って調べてみると、専門家がそのような指摘をしていました。
イギリスでトップ10にランクインしている皮膚科医のマーヴィン・パターソン博士いわく

「肌が健康なら、それだけでバリア効果があるが、ある種のスキンケア商品が肌バリアを壊してしまう」

「レチノイドが美容業界で話題ですが、肌バリアには悪影響を及ぼします。グリコール酸も肌の表皮によくない。肌を明るくするという触れ込みですが、総合的に見て肌によいとはいえない」

スクラブ洗顔もせっかくのバリアをはがしてしまうのでよくない」

とのことです。なるほど、参考になりますね。やっぱり、肌をこすって綺麗にする系のものは、リスクが高そう。

ではおすすめはというと、ミネラルメイクアップによる物理的なバリア」「毎晩メイクオフすること」。

一般に言われることですが、洗顔時のすすぎ不足や、肌のこすりすぎ、メイクを落とさないで寝るなどは、本当に肌にダメージを与えます。やっぱりね~って、感じですが。

でも、だからといってメイクが悪いわけではないと思います。たいせつなのは、メイクを活用して肌を守る、けど肌を傷めるようなケアはしない、この2点だと私は思います。



以上・・今回はちょっと難しくて、しかもめっちゃ理屈っぽい感じでしたが、
結局正しいメイクは肌にいいと思う!の根拠を海外文献を参考に書かせていただきました♡
読んでくださる方のお役に立てると幸いです。(^◇^)


※個人メイクレッスン・パーソナルカラー診断サロン~MAKE A CHANGE~のサイトで紹介する情報のスタンスは、
メイクレッスンやコスメ比較など自分で試して体験してみたことか、②学術的な論文など信頼性のある情報、の2つに重点を置いています。わたし自身が医科大に在籍していたことがあるので、とくに医療関係の情報の質がいかに大切か理解しているつもりです。このサイトでは、きちんとした根拠を確認してから情報を掲載するように心がけていきますので、どうかご支援よろしくお願いします。